花鯛
(59×48)
『花鯛』 2002.2.10
「姉の形見の着物がたくさんあります。
布絵展を見せていただき、ぜひ使って頂ければと思うのですが」と、
丁寧なお電話を頂いた。
たくさんの着物が私に届けられた。
着物を一枚一枚見ていくうちに、亡くなった方の人柄、
生活、思い出に胸がつまってくる。
大正、昭和、平成と生きてこられた足跡が、
着物の匂いとなって私の心に染み込んでくる。
そして、これらひとつひとつの着物が出来上がるまで、
どれたけの人の思い、どれだけの人の手が
かかわってきたことだろうか。
「この布が生かせますように」祈りにもにた思いでハサミを入れていく。
お嫁に行くとき着れたと思われる美しい黒い晴れ着。
すそ模様を生かして鯛になってもらう。
そして、「花鯛」と名付けさせてもった。