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あきらめないということ。

夫が47歳の時。脳梗塞と直腸癌のふたつの病気がほぼ同時に発覚し、次々と手術が行われました。そして、脳梗塞による、半身マヒのリハビリ。半年間の訓練は、大きな試練でした。しかし、そのがんばりを笑うかのように直腸から肝臓への癌の転移が告げられた時、どん底に突き落とされたようでした。

でも、「あきらめない…」私は神様と共に強く立ちました。

布絵を始めて、いらなくなった布、捨てられる布を触っていると、私はこの布たちの「声」が聞こえてくるような気がします。この布と関わってきた人たちの「思い」なのでしょうか。そして、暮らしの中で、花や野菜、魚を綿密にデッサンしていくと、「いのち」が私に感動をくれます。それぞれがそれぞれの所で精一杯の力で生きています。どんな小さなものでも美しく輝く「いのち」です。

いらなくなった布たちを握って「いのち」に向かうわけですが、楽しいこともありますが、孤独で忍耐のいる仕事です。途中、難しくて何度も何度も投げ出したくなります。

そんな時、あの「あきらめない…」と踏ん張る声が、私の心を押し上げてくれるのです。

「あきらめない…」それは「いのち」を愛していくことで生まれる大きな力だと思います。


プロフィール

1973 女子美術短期大学グラフィックデザイン科卒業
1975 結婚して、その後、二男一女を授かる
1997 夫を癌で亡くす
1999 布絵を始める
2000 広島・本通りで初めての布絵展を開催
2002 広島県立美術館・第1回『暮らしの中の布絵展』開催
2005 広島県立美術館・第2回『暮らしの中の布絵展』開催
   「いのちの輝きに魅せられて/市川正美布絵集」を出版
2006 廿日市立・さくらぴあ『市川正美布絵展』開催
   「いのちの輝きに魅せられて/市川正美布絵集」が、
    日本自費出版文化賞・グラフィック部門賞受賞
2007 浜田市立・石正美美術館『市川正美布絵展』開催
2008 横浜市民ギャラリー『13人の個展』参加
2009 広島県立美術館・第3回『暮らしの中の布絵展』開催
2012 東京・杉並高円寺第5回「市川正美布絵展」開催
2014 10月 広島県立美術館・第4回『市川正美布絵展』開催
   10月 端裂を活かす「市川正美のはじめての布絵」を出版

*広島芸術専門学校/布絵クラス講師
*中国新聞情報文化センター/布絵クラス講師
*バイブル・アンド・アート会員(毎年B&A美術展に参加)
*老人ホーム、子供会等でボランティアで布絵を指導