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ビワの木

ビワの木 1999.6.25
いま住んでいる家に、実家から引っ越ししたとき、
アロエの鉢をもらった。
その鉢に実家のビワの木の種がおちて、10センチくらいのビワの苗が付いてきた。
その苗を庭に植え替えてやると、みるみるうちに大きくなって、
毎年甘いビワが食べれるようになった。
そのビワを布絵にしようと思い、いつもの古着屋へビワの色を探しに行く。
私を待ってくれたかのようにオレンジの色の着物があった。
よかったと、着物を解こうとした。
すると、まだ仕付けがかかったままだった。
「この着物を母親は娘にどんな思いで作ってやったのだろうか」
そんなことを想像する。
たった300円という値段で古着屋で売られていたことに私は悲しくなった。
だから、しっかりと、ビワを造ろう。
そんな気持ちでハサミをいれた。
その後も、この布はたくさんの布絵のために活躍してくれた。

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