スカーフがカレイに
(60×47)
スカーフがカレイに 2003.1.10
その方はもうすぐ九十歳。色々なご苦労もおありだっただろうに、今は人間稼業をやめられて、自分の名前しかわからない。でも、ニコニコしててとても幸せそう。
その小さな首まわりを長年温めていたおもしろい柄の絹のスカーフ。「もう使うこともないでしょう」と、娘さんから頂いた。
私の布絵を見て下さった方から「実物からイメージの布を探すのですか。それとも布からイメージを造るのですか」と、よく聞かれる。
不思議なことに、このスカーフと出会ったときは、「カレイにして」と、布のほから声が届いた。
とても弱ってクタクタな布なのに、元気のいい強いカレイになった。