イカの干物
(91×160)
イカの干物 2008.2
山陰の小さな漁港、
海に立つ小さなギャラリーで
布絵展を開かせてもらって
6年が経った。
夜になると、沖合いにはイカ釣り漁船が灯りをともす。
とれたてのイカの刺し身は
とろけるほど美味しかった。
そこの干物屋さんで
このイカの干物をみつけた。
エンペラに丈の棒を刺され
ちょっと小さなイカは
太陽の日差しと日本海の風に吹かれながら
揺れている。
それぞれがそれぞれの形を保ち、
おおらかでユーモラスな
イカの干物。
夫はスルメが大好きだった。
「このイカの干物、食べさせてあげたいなぁ」
そう思うと胸が痛む。